ヒグラシの鳴く駅で

http://members.at.infoseek.co.jp/D_O_Reraise/photo/23.JPG

 観光客の喧騒とは無縁のローカル線。何も無いことを求めてやって来るには最高の場所。何も無い…何も無い…太陽、空気、風、そして錆とオイルの匂い。何も無いわけがない。
 日も傾き、ヒグラシが鳴き始めた頃、因幡から来た列車と美作からやってきた列車がすれ違う。
 どこかひんやりした暑さの中、ディーゼルの熱風が吹く。汽笛。そう、何も無いことを求めてきたのではなく、このひと時を求めてやって来たのだ。

 珍しく関西の駅をモデルにしました。因美線那岐駅です。車両はKATOのキハ40とキハ20。夕立のあった夏の夜とする予定が、一部パーツを紛失し、代替品が手に入らなかったので断念……


 特定の視点から見る事だけを考えて作ったたため、実際は線路やホームが異様なカーブを描いています。本当はこれを活かせる写真にしたかったのですが、適切なバックがなかった為、何の変哲も無い写真になっています。
 散文に関しては「田舎だから何も無くて……」と事あるごとに聞かされる事に対する叫びです。