1969-01-01から1年間の記事一覧

夏の終わり

誰そ彼。薄暗く、しかし明るく、不思議な時間。終わりの近い夏に気づいてしまい、無性に悲しくなる不思議な時間。 鳴き始めたヒグラシが、私を現実の世界へと呼び戻す。間も無く訪れる宵闇には、虫の音もまじるようになっているに違いない。 まだまだ、夏は…

いつかどこかで

太陽がまばゆいばかりの陽射を投げかける真夏の昼下がり、耳を塞ぎたくなるように鳴いていた蝉の声も、その陽射に比べれば可愛いもの。 南アルプスの麓、小さな駅に蝉の声に代わって吊り掛けモーターの音が響く。オレンジと緑の可愛い顔をした列車がやってき…