夏よ、来い
空けきらぬ梅雨。少しじめっとした空気。しかし、ひんやりとした空気。
朝霧をまといながら、タタンタタンと軽快に汽車がやってくる。山肌に沿ってやってくる。もう間も無く来るであろう、短い夏を楽しみにしているかのように。朝霧がくれば、梅雨空の去る日も近い。その白い車体に陽光を目一杯浴びて、町から田園へ、田園から山へ、トンネルを超えて、鉄橋を渡り、夏を精一杯走ろう。
モデルとしたのは陸羽東線、上野目付近。車両はキハ110。
就職に伴い、東北に引越しました。5月ごろ、鳴子温泉に行く途中に見た景色が印象に残っており、そのイメージで作りました。田圃の向こう、山のすそに沿って走っていくキハはとても軽快で、60キロ前後で走る車をあっという間に追い越して行ってしまいます。