おしらせ(20年8月22日)

ジオラマ関係の最終更新:平成20年8月23日http://d.hatena.ne.jp/KLEINERTERMINAL/20080810を追加 余力があれば、またHP形式に戻そうと思います。余力があれば……o..............rz ジオラマは基本的に夏(暑中見舞いor残暑見舞い)と冬(年賀状&寒中見舞…

異世界への入り口

夜になってもやわらぐ事の無い熱気、その湿気と煙にヘッドライトが滲む。這い回るパイプ、聳え立つタンクとエントツ、ところどころを水銀灯の灯りが照らすここはまるでSFの世界。 奇妙に人気が無く無機的な景色は自分が小人になってしまったよう。そんな中を…

夏よ、来い

空けきらぬ梅雨。少しじめっとした空気。しかし、ひんやりとした空気。 朝霧をまといながら、タタンタタンと軽快に汽車がやってくる。山肌に沿ってやってくる。 もう間も無く来るであろう、短い夏を楽しみにしているかのように。朝霧がくれば、梅雨空の去る…

花列車

南房総の日当たりの良い斜面。下に見えるは菜の花畑。心地よい風とうららかな日差し、菜の花の香りに包まれてボンヤリとしていると、一陣の風が吹き抜けた。 ……あ、電車だ……

冬本番

寒い夜、静かな夜。縁の下の力持ちは人知れず働く。 雪の季節となり、夏の間を庫の中でひっそりと過ごしていたラッセル車は眠りを覚ます。 大地が白い衣を纏った夜。4つのライトを輝かせ、雪まみれになったラッセル車が静かな轟音を立てて、ゆっくりと道を作…

ラムネ色の夏

高原の乾いた風に吹かれ、朝露の色を楽しみながら歩いていると、小さな踏切にでた。横を見ると一直線のレール。その鉄の棒が、かすかな振動を伝えてくる。 しばらくすると、坂の向うから2つのライトが見えてきた。線路脇には向日葵。夏は足早に過ぎ去ろうと…

静かな足音

つい今しがた降り始めた雪が、あっという間に大地を白く塗り替えていく。 音も無く大地を白く被い、馬の背にも積もらんと静かに降り続く雪は長く厳しい冬の始まり。モノクロとなりつつある世界を有彩色の列車が行く。

小貨物駅

本線の上を列車が走らなくなってからどれくらいたつのだろうか。かつて駅であった場所から少し離れた側線に小さな貨車が一輌。傾きかけた日の下で、まるで待ちぼうけにあったようにぽつりとたたずんでいる。 貨物ホームだったと思しき所にはコンテナーが1個…

ヒグラシの鳴く駅で

観光客の喧騒とは無縁のローカル線。何も無いことを求めてやって来るには最高の場所。何も無い…何も無い…太陽、空気、風、そして錆とオイルの匂い。何も無いわけがない。 日も傾き、ヒグラシが鳴き始めた頃、因幡から来た列車と美作からやってきた列車がすれ…

シュプールを夢見て

明日のシュプールを夢見て……と言っても、夢を見るほどの深い眠りに着く事はできない。主要駅に停車するたびに段々と雪景色となって行く窓の外を眺め、明け方になってようやくうつらうつら。 雪深いプラットホームに降り立つと、ろくに眠って居ないはずなのに…

山々に抱かれて

越後と会津の国境を超えて只見線のレールは延びている。 豪雪地帯の山岳路線で、長いトンネルが連続しているが、そのトンネルの切れ間切れ間に切り取るべき一瞬が存在する。 残雪を抱く美しい山々に見守られ、爽やかな風を身に受けて、その懐を謙虚に走り行…

青い闇、白い雪

音もなく降っていた雪が音もなく止んだ夜の駅。すっかり冷えきったホームには、雪をこびりつかせてやってきた列車が休憩中。折り返すまでのひと時、寒さに身を縮こまらせている。 ここは夢の世界か現実か。列車とホームの灯りがぼんやりと周囲を照らし出す。…

夏の終わり

誰そ彼。薄暗く、しかし明るく、不思議な時間。終わりの近い夏に気づいてしまい、無性に悲しくなる不思議な時間。 鳴き始めたヒグラシが、私を現実の世界へと呼び戻す。間も無く訪れる宵闇には、虫の音もまじるようになっているに違いない。 まだまだ、夏は…

いつかどこかで

太陽がまばゆいばかりの陽射を投げかける真夏の昼下がり、耳を塞ぎたくなるように鳴いていた蝉の声も、その陽射に比べれば可愛いもの。 南アルプスの麓、小さな駅に蝉の声に代わって吊り掛けモーターの音が響く。オレンジと緑の可愛い顔をした列車がやってき…

冬荒れ

吹雪き始めた冬荒れの日本海。空はどこまでも灰色。海もどこまでも灰色。遠くへ目をやるとその境はわからない。 聞こえるは、ただ、波と風の音のみ。列車の音も聞こえず、2つの前照灯のみがその存在を示している。 屋根に深く雪を積もらせ……いつもなら勇ま…

雪国の小驛

降り続いた雪もやんだ夜の駅、がらがらの上り終列車を送り出した駅員も寒さに首を縮め、まだ列車の姿が消え去らないうちに本屋へと足を向ける。 機関車の汽笛もレールを刻むジョイントの音も降り積もった雪に吸い込まれて行く。もうすぐ百と八つある鐘の音が…

一瞬の轟音

トンネルとトンネルに挟まれた小さなアーチ橋。相当な急坂だ。 突然、クリーム色と朱色に塗られた気動車が現れた。警笛一声、ゆっくりと急坂を登っていく。7両ばかりの編成の後ろでは、二両の茶色い大きな機関車が轟音をたてながら後押しをしていた。

撮影旅行の思い出

九州とは意外に嶮しひところです。思いの外寒くもあり、来たばかりの頃は戸惑ひました。 貧乏旅行故、今日は何を撮ろふか、頭の中でダイヤを思い出そふとして空腹を誤魔化します。見通せなひ山の鉄道だと、遠く汽笛が聞こへることが多ひです。音はすれど姿は…