いつかどこかで

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 太陽がまばゆいばかりの陽射を投げかける真夏の昼下がり、耳を塞ぎたくなるように鳴いていた蝉の声も、その陽射に比べれば可愛いもの。


南アルプスの麓、小さな駅に蝉の声に代わって吊り掛けモーターの音が響く。オレンジと緑の可愛い顔をした列車がやってきた。そしてホームの手前で警笛一声。


優等列車が通過するこの一瞬、いつか見た気がしたこの景色。